2ストロークエンジンは、かつてスポーツバイクや小排気量の原付スクーターなどでよく採用していました。現在では環境規制の影響もあって、一部の海外メーカー以外では新車を購入することはできません。 しかし、4ストロークエンジンとは全く異なる構造で、気持ちの良い加速や甲高い排気音は独特のものです。今なおファンが多い2ストロークバイクについて、その特徴や魅力について解説しました。2ストロークファンはもちろん、乗ったことがないという人もぜひ読んでみてください。
独特の機構を持つ2ストロークエンジンの構造や特徴を解説します
2ストロークエンジンはどのような仕組みになっているのでしょうか。知っているようで知らない独自の構造を紹介します。また、現在主流となっている4ストロークエンジンとの違いについても解説することで、2ストロークエンジンの独自性をより深く知ることができるでしょう。まずはその特徴を知ることから始めましょう。
エンジンは、シリンダー内の燃焼室に入ってきた混合気（ガソリンと空気が混ざった霧状の気体）がスパークプラグで点火、爆発することでピストンが上下し、原動力を生み出します。上下運動で行うのは、混合気の「吸気」「圧縮」「爆発」「排気」です。
2ストロークエンジンは、この4つをピストンが1往復、つまり2ストロークする間に終えるのです。具体的には、ピストンが上昇する際に「吸気」と「圧縮」、ピストンが下がる際に「爆発」と「排気」を行います。
また、2ストロークエンジンにはその構造上、シリンダーに排気ポートと吸気ポートという混合気を吸気したり排気したりする穴があります。そのため、2ストロークエンジンには、エンジンに必須と思われている「バルブ」が存在しません。
4ストロークエンジンは、まずピストンが下降して混合気を「吸気」します。次にピストンが上昇して「圧縮」し、「爆発」によって下降、さらにピストンが再び上昇して「排気」を行います。このように、4つの動きをピストンが2往復、つまり4ストロークする間に終えるのが4ストロークエンジンなのです。
2ストロークエンジンはガソリンとエンジンオイルを混ぜることで、エンジン内の潤滑を行います。対して4ストロークエンジンは、エンジンオイルが独自でエンジン内を循環するのも、両者の大きな違いといえるでしょう。
2ストロークバイクには大きく3つの魅力があります。ひとつずつ解説しましょう
2ストロークエンジンと4ストロークエンジンは構造的に全く異なります。それでは、2ストロークバイクだけが持つ魅力にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは2ストロークバイクがライダーを魅了してやまない3つのポイントをまとめました。2ストロークバイクには特にスポーツバイクとしての高い資質がそろっているので、スポーツバイク好きな方は必見です。
2ストロークエンジンは「吸気」「圧縮」「爆発」「排気」という、エンジンが原動力を得るために必要な工程をピストン1往復で終えます。4ストロークエンジンでは2往復必要なので、理論上では排気量とエンジン回転数が同じであれば2ストロークエンジンは2倍のパワーが出せるということです。もちろん、実際はそう単純な話ではありませんが、2ストロークエンジンがパワーを出しやすいのは確かだといえます。
同じ排気量であれば、よりパワーを出しやすく、スポーティな走りを楽しめるのが2ストロークバイクです。
2ストロークエンジンはその構造上、4ストロークエンジンに比べてピークパワーが出る回転域が限られています。ロードスポーツモデルでは大抵の場合、高回転域にピークパワーを設定していて、甲高い独特の排気音を奏でるのです。アイドリング時のメカノイズが混ざったようなカラカラ音も2ストローク独自のものといえるでしょう。
高回転時もアイドリング時も、4ストロークエンジンにはないサウンドは、ファンにはたまらない音です。
バイクで最も重量のある部品はエンジンです。つまりバイクを軽くするにはエンジンを軽くするのが効果的だといえます。2ストロークエンジンは4ストロークエンジンに比べて構造が単純で部品点数も少ないため、非常に軽いのが特徴です。結果として、車体全体も軽くて扱いやすいモデルが多いといえるでしょう。
しかし、前述の通りピークパワーの回転域が限られているため、エンジン自体は扱いづらいモデルが少なくありません。総合的な扱いやすさを求めるなら、街乗り重視でトルクフルなエンジン特性を持つモデルを選ぶのがよいでしょう。
2ストロークバイクにはさまざまなモデルがあります。その中でもおすすめの5モデルを紹介します
ここではおすすめの2ストロークバイクを紹介します。しかし、国内メーカーはすでに公道用の2ストロークモデルは販売していません。よって、紹介するのは中古車がメインとなります。どれも人気のモデルなので、状態の良い車両があれば見逃さないようにしたいものです。
2ストロークバイクの販売を続けている海外メーカーもあります。しかし、たとえナンバー付きであっても、実質的には競技車両であることが多いので、購入前によく検討しましょう。
1980年代から始まったレーサーレプリカブームの立役者がNSR250Rです。当時はヤマハのTZR250Rと熾烈な開発競争を繰り広げ、メディアではそれぞれのメーカーの頭文字を取って「HY戦争」などと書かれるほどの過熱ぶりでした。
しかし、過激な印象とは裏腹に、実際には街乗りもこなせるほどの懐の深さで人気を博していました。「普段使いができて、いざとなれば速い」という、ホンダらしさにあふれるレーサーレプリカだといえるでしょう。
レーサーレプリカブームの黎明期に登場し、バイク業界にインパクトを与えたモデルがRZ250/350です。R1-Zはその後継モデルの1台といってよいでしょう。ただし、レーサーレプリカとしての正式な後継モデルはTZR250Rです。
高性能をTZR250Rに譲った代わりに、R1-Zは街中での乗りやすさを重視しています。もちろん、いざとなれば気持ちの良い加速が楽しめます。2ストロークバイクに扱いやすさを求める人におすすめです。
ホンダNSR250R、ヤマハTZR250Rに対抗して、スズキから登場したのがRGV250ガンマ、通称「Vガンマ」です。先述の通りNSR250Rが普段の使いやすさに考慮していたのに対し、RGV250ガンマはサーキットやワインディングに特化した特性で、より先鋭的なライダーから支持を集めました。
ただし、当時あまりにも尖った性能は「ビギナーが扱うには難しい」と言われ、高性能を求める当時のライダーからも特別なモデルだと見られていたようです。
レーサーレプリカブームは原付クラスにも波及しました。そんな当時を代表するモデルがNS-1です。50ccには見えないフルサイズボディと最高出力7.2psを誇る高性能2ストロークエンジンで人気を博します。
また、NS-1の隠れた人気ポイントが高い収納力です。通常のバイクでは燃料タンクに当たる部分が、実はユーティリティスペースになっていて、小物などを入れられるようになっています。レーサーのようなルックスと使い勝手の良さを両立した秀作といえるでしょう。
NSR250Rの項で「HY戦争」を紹介しましたが、実は当時、もうひとつの「HY戦争」がありました。それが原付スクーターを巡るホンダとヤマハの開発競争です。
ライブDIO-ZXはホンダ原付スクーターのフラッグシップモデルで、登場時はNS-1と同じく最高出力7.2psの2ストロークエンジンを搭載していました。その性能の高さによって、当時の若者の憧れの1台だったのです。ただし、1999年モデルからは排気ガス規制と騒音規制によって、最高出力は6.3psとなっています。
豊富な在庫と安心の保証を備えたバイク館なら、古い年式の2ストロークバイクも安心して購入できます
現実的に今2ストロークバイクを購入するなら、中古車を選ぶことになります。しかし、2ストロークバイクが絶版になって年数も経っているため、市場の流通量は決して多くはありません。また、車体があったとしても、程度の悪いものも多いようです。
そのため、2ストロークバイクの購入には信頼できるバイクショップが欠かせないといってよいでしょう。バイク館なら全国に店舗を展開しており、全てのお店で国家資格整備士を配備しているので安心です。
バイク館は、北は北海道から南は九州まで、全国に店舗を展開しています。それぞれの店舗で豊富な中古車の在庫がありますが、もしお気に入りの車両が見つからなくても安心です。全国のバイク館から車両を取り寄せることが可能なので、きっと良い愛車に巡り会えるでしょう。
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2ストロークバイクは希少価値が上がっていて、近年では車体価格が高騰しています。しかしバイク館は車両価格に関係なく保証がついているため安心です。あなたのバイクライフを強力にサポートしてくれるでしょう。
2ストロークバイクのような古いバイクを購入する際は安心できるお店選びが重要です。バイク館なら、きっと充実したバイクライフをサポートしてくれるでしょう
中古車市場の流通量や年式の古さ、さらに価格の高騰など、2ストロークバイクを所有するハードルは決して低くはないかもしれません。しかし、信頼のおけるお店があれば話は別です。
独特の加速感やサウンドは、一度乗ればきっと病みつきになるでしょう。興味がある方は2ストロークバイクの購入を検討してみてはいかがでしょうか。バイク館のWebサイトなら車両検索システムが充実しているので、お目当てのバイクも楽に探せます。
