残暑が厳しい初秋に始まり、冬の訪れを感じる晩秋と、一口に秋と言っても体感温度の変化が大きいこの季節。ツーリングに出かける際は、日中と朝晩での寒暖差だけでなく、行き先や走行シーンなど、考慮する要素が多く頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。 今回は、9〜11月の月別のほか、目的地の気候や標高に応じた服装の選び方とその注意点を解説します。自分の用途に合った服装を選んで、気温の変化が大きい秋のツーリングを攻略しましょう。

秋のツーリングでは、走行する時間帯や標高により周辺環境が大きく変わります。快適に走るためには、防寒性と動きやすさを兼ね備えた服装の選択が欠かせません。
秋のツーリングでは、1日の寒暖差を考慮した服装選びが大切です。日中の最高気温が25℃前後であっても、朝晩は10℃を下回ることがあり、1着だけでは対応しきれない場合があります。
また、走行中は風を受けるため、実際の気温よりも体感温度が低く感じられます。秋のツーリングでは、防風機能を備えたアウタージャケットを用意すると安心です。ジャケットの内側に着るインナーウェアとしては、長袖のシャツやフリースなどもオススメです。
状況に応じて脱ぎ着しやすいレイヤリング(重ね着)を意識することで、身体の冷えを防ぐことができます。
秋のツーリングでは、防寒だけでなく安全性も重視しましょう。普段着のパーカーや綿素材のパンツでは、万が一の転倒時に破れてしまう恐れがあります。ツーリングでは、転倒時のダメージを考慮した安全な服装を選びましょう。
また、胸部プロテクターを装着することも、転倒時の衝撃を和らげる効果が期待できます。アメリカンバイクのようなカジュアルなスタイリングが合う車両の場合も、革製のジャケットなど、生地に厚みがある素材を選ぶと、安全性とファッション性を両立できてオススメです。
一方で、半袖や短パン、サンダルなど、露出が多いものや明らかに危険な服装は避けましょう。そもそも安全性が欠けていることに加え、秋のツーリングは思ったより寒いことが多いので、長袖と長ズボンが基本と言えます。
9月から11月にかけての3ヶ月間は、季節の移り変わりとともに気温も変化していきます。各月の気候に合わせた具体的なコーディネートのパターンを確認しておきましょう。

日中は暑く、朝晩は秋口らしく涼しい9月。陽が出ている時間帯は、通気性のあるメッシュタイプのジャケットがおすすめです。一方で、日中の体感温度に合わせたまま夕方以降も走り続けると、冷え込みに対応できないリスクも。そんな時のために、防風性能を持つインナーウェアを準備しましょう。もし走行中に寒さを感じたときは、このインナーウェアをアウターの内側に重ね着すると効果的です。
この時期の防寒対策のキーアイテムは、薄手のインナーウェアです。お出かけの際は、コンパクトに折りたたんで、タンクバッグやウエストポーチなどに入れておきましょう。
残暑が厳しい時期ではありますが、こうしたひと手間が9月のツーリングを快適に過ごすポイントです。

いよいよ本格的に秋らしい気候となる10月。朝晩の冷え込みはもちろんですが、日中も場所によっては寒さを感じます。特に山間部など、標高の高い場所を走る場合は、冷え込み対策が求められます。そこで役立つのは、3シーズン対応ジャケット。春・秋・初冬を考慮した防寒性能を持っていて、商品によっては着脱可能なライナーも付属しています。
最高気温が20℃前後の場合は、下半身の防寒対策も忘れてはならない要素です。アウターパンツの下に保温性のあるタイツを着用するなど、温度調節ができる工夫が大切です。
こうした柔軟性のあるアイテムを駆使して、10月の気温変化に対応していきましょう。

初冬となる11月は本格的な寒さ対策が求められます。最高気温が15℃を超える日でも、陽が落ちると気温が10℃を下回ることも珍しくありません。
この時期は、レイヤリング(重ね着)を徹底した防寒対策を行いましょう。身体のなかに空気の層を作ることを意識すると、より効果的です。また、吸湿発熱性など、高機能素材を取り入れるのもオススメです。アンダーウェア、フリースなどのミドルレイヤー、その上から防風性の高いアウターという、計3層の構造がレイヤリング(重ね着)の基本となります。
また、11月下旬など、気温が10℃前後の日には電熱ウェアやグローブの導入も検討しましょう。こうした早めの対策が、この時期を快適に過ごすポイントです。

バイクで出かける際は、目的地の気候を必ずチェックしましょう。行き先の気温を確認し、適切な服装を選ぶことが秋のツーリングを快適に楽しむポイントです。
北海道や東北地方、あるいは標高の高い山間部へ向かう場合は、特に服装に気をつけましょう。冷え込みが一段と早い寒冷地は、出発地点との寒暖差が激しいことも珍しくありません。
例えば、10月に東北地方へ向かう場合、11月並みの寒さを想定して準備すると安心です。平地では気温が15℃程度であっても、より標高の高い山頂付近の峠道では、真冬に近い状態まで下がる場合もあります。防風性の高い中綿入りジャケットに加え、ネックウォーマーなどの小物も準備しましょう。
冷えによる集中力の低下は、運転操作のミスにつながるおそれがあります。現地の最新の気象情報や、通行予定の道路の規制情報を事前に確認しておくと安心です。
四国や九州など、南の地域へ向かう場合は、日中の温度上昇を考慮すると良いでしょう。
冬用の服装のまま走り続けると、汗をかいて不快になったり、疲れやすくなったりすることがあります。衣服の内部に熱がこもらないよう、ベンチレーション機能を備えたウェアを選びましょう。ファスナーを開閉して走行風を取り入れることで、内部の温度を調整しやすくなります。
ただし、陽が沈む夕方以降や山間部では、一転して寒く感じる場合があります。アウタージャケットの下には、簡単に脱ぎ着できる薄手のフリースやインナーウェアを合わせておくと安心です。

秋のツーリングを安全かつ快適に楽しむためには、防寒対策をしっかり行うことが大切です。多くのライダーが見落としやすいのは、手首・足首・首元の「3つの首」の防寒、防風対策です。ウェアの隙間から走行風が侵入すると、衣服の内部にある空気が一瞬で外へ逃げてしまい、体温の低下につながります。
首元にはネックウォーマーを着用し、袖口や裾口はマジックテープ等で走行風の侵入を防ぎましょう。手首の隙間を埋めるためには、袖口を覆いやすいロングタイプのグローブも有効です。足首の冷えを防ぐためには、長めの靴下やライディングブーツがオススメです。
「3つの首」をはじめとする末端部分を温める工夫は、寒さによる身体のこわばりを防ぐ効果も期待できます。徹底した事前準備が、秋のツーリングを安全に楽しむことにもつながります。
秋のツーリングを満喫するためには、初秋から晩秋にかけての気温の変化を意識することが大切です。3シーズン対応のウェアやレイヤリング(重ね着)を活用すれば、寒暖差による疲労や体調不良の予防にもつながります。
また、安全性を高めるプロテクターの装備や「3つの首」への対策も忘れてはいけません。目的地の気候を事前に調べてから出発しましょう。
適切な服装選びで、秋のツーリングを快適に楽しんでください。