近年はセルフスタンドが普及し、ライダー自身で給油する機会も多くなりました。しかし、油種の選択や給油の手順を誤ると思わぬトラブルにつながることもあります。 本記事では「レギュラー」「ハイオク」「軽油」の違いや正しい給油方法、気を付けるべき点などについて詳しく解説します。
自動車に関係するセルフ給油では、一般的に灯油を除く、レギュラー・ハイオク・軽油のなかから、指定の油種を選びます。車両を動かす燃料という点では、それぞれ似ているところがありますが、実は大きく異なるのです。ここでは、油種の具体的な違いについて見ていきましょう。
レギュラーは、多くのバイクに使用される燃料です。日本産業規格（JIS）によると、オクタン価が89.0以上のものがレギュラーと定められています。
オクタン価とは、エンジン内で異常燃焼（ノッキング）を起こしにくい度合いを表す数値で、数値が高いほどエンジンがスムーズに動きます。
国内で販売されている多くのバイクは、レギュラーガソリンが指定されていることが多いです。給油時は赤いノズルを選び、間違ってハイオクや軽油を入れないよう注意しましょう。
ハイオクは、オクタン価96.0以上のハイグレードな油種で、排気量の大きいバイクや輸入車に使われることが多いです。
プレミアムガソリンと呼ばれることもあり、ガソリンスタンドでは一般的に黄色のノズルが使用されています。
価格はレギュラーよりやや高く設定されていますが、その分ノッキングを防ぎ、エンジン本来の力を発揮できる特徴があります。
軽油は、主にトラックやバスなどの重たい車両を動かすのに向いており、ディーゼルエンジン車で使用される燃料です。高温・高圧で自然発火する性質を持ち、高燃費で力強い走りが特徴です。
軽油はレギュラーやハイオクよりも安価ですが、これらガソリンエンジンには使用できません。誤ってガソリン指定のバイクに入れてしまうと故障の原因になります。そのため、セルフ給油の際は間違えないようにしましょう。緑色のノズルは使わないと覚えておくと、バイクの給油の際は安全かもしれません。
バイクにどの種類のガソリンを入れれば良いか迷ったときは、給油前にメーカーが指定している油種を確認しましょう。レギュラーとハイオクでは燃焼特性が異なるため、誤って入れるとエンジンの不調やトラブルを招くおそれがあります。
ここでは、バイクに入れるガソリンの種類を確認する2つの方法をご紹介します。
車両指定の油種は、取扱説明書で確認できます。
説明書には、エンジンの仕様やガソリンの油種が明記されています。もし手元に取扱説明書がない場合でも、メーカーの公式サイトからPDF版をダウンロードできる場合もあります。
車両名や年式などの情報を入力して検索すれば、該当する情報をすぐに確認できるでしょう。
メーカーの公式ウェブサイトでは、現行モデルのスペック欄に指定油種が掲載されています。
ここを確認すれば、自分のバイクの指定油種がレギュラーかハイオクなのかを判断できます。
特に新型車の場合は、最新の情報が反映されているため信頼性も高いです。一方で生産終了から時間が経った車種では、公式サイトで情報が削除されているケースも少なくありません。その場合は、取扱説明書を確認してみましょう。
最近では、セルフスタンドの数が多くなり、利用している方も多いと思います。普及しているとはいえ、セルフ給油ではすべて自分で操作するため、慣れていないと誤給油やガソリンの吹きこぼれなどの事故につながりかねません。
ここでは、給油するときの流れと注意点を解説します。
まず、給油機のすぐ横にバイクを停め、エンジンを切ってから降ります。サイドスタンドを立て、ハンドルを左に切ると安定します。傾斜がある場所では、転倒防止のためギアを1速に入れておくと安心です。
次に、支払い方法を選択します。現金やクレジットカード、電子マネーなど、画面の案内に従って操作します。ポイントカードやアプリを使う場合は、向きに注意して読み込ませましょう。
その後、車両指定の油種を選び、給油作業へと進みます。給油前には静電気除去パッドに触れ、体の静電気を逃がしてから給油キャップを開けることが大切です。ノズルを給油口にしっかり差し込み、最初は軽くレバーを握って少しずつ注ぎましょう。
ガソリンが満タンになったら、ノズルを静かに戻し、キャップをしっかり閉めたら完了です。
セルフ給油で多いトラブルは、油種を間違える「誤給油」です。レギュラー推奨のバイクにハイオクを入れても問題ありませんが、ハイオク推奨のバイクにレギュラーを入れるとノッキング（エンジン内での燃料の異常燃焼から発生する金属音や振動）を起こす危険があります。最悪の場合、エンジンを壊してしまうことがあるため、油種はしっかりと確認しましょう。
ガソリンスタンドではレギュラーは「赤」ハイオクは「黄」軽油は「緑」とノズルの色で区別されています。誤給油を防ぐために、給油前に案内表示と色を確認しましょう。
また、ガソリンは非常に揮発しやすく、静電気や火花で簡単に引火します。引火を防ぐため、給油中はエンジンを止め、たばこやライターなどの火気を使用しないなど、利用先の注意事項を守りましょう。
加えて、ガソリンが吹きこぼれないように自分の目で確認しながら給油することが大切です。
ガソリンスタンドは、給油するだけでなく、さまざまな目的で利用できる便利な場所です。
店舗によっては洗車機やオイル交換設備などを備えているところもありますが、バイク専用の設備はまだ限られています。基本的には自動車向けのサービスが中心と考えておくと良いでしょう。
なかでも、便利なのが「タイヤの空気圧調整」です。空気圧のチェックは安全走行に欠かせない作業であり、ガソリンスタンドを上手に活用することで、ツーリング前後のメンテナンスも手軽に行えます。
サービススタッフに「空気圧を見てほしいです」と伝えると対応してくれます。自分でできる方は、空気入れを貸りてご自身で調整することも可能です。
空気圧は、バイクの左スイングアームやチェーンカバーなどに貼られているコーションラベルで確認できます。規定値を目安に、エアゲージを見ながら適正圧に調整しましょう。
安全に長く乗り続けるためには、定期的な点検や整備が欠かせません。
バイク館では、初回点検から12ヶ月点検まで幅広く対応しており、メーカーや車種を問わず専門スタッフがしっかりと整備を行っています。各部のチェックやオイル交換、電子診断機による点検など、プロによるメンテナンスが受けられるのが特徴です。
ここでは、バイク館のバイク点検を利用するメリットについて詳しく見ていきましょう。
バイク館では、納車から1ヶ月または走行1,000km時点での初回点検を無料で実施しています。初回点検の対象は、バイク館で新車をご購入いただいたお客様です。
国産車だけでなく輸入車にも対応しており、エンジンの始動状態、ブレーキやライトなどの作動確認、エンジンオイルや冷却水漏れの点検など、細部まで丁寧にチェックします。
また、12ヶ月点検では外からは見えない部品の分解点検やテスターを使った診断も行い、摩耗部品や消耗品の状態をしっかり確認しています。
バイク館では、すべての店舗に電子故障診断機を導入しています。
ホンダ・ヤマハ・スズキの3メーカーに対応しており、さらに汎用タイプの診断機も備えているため、幅広い車種の点検が可能です。電子故障診断機を用いることで、電子回路の点検を正確かつ迅速にできるようになっています。診断作業は車種によって異なりますが、10～30分程度なのでお気軽にご相談ください。
セルフスタンドでの給油は手軽で便利ですが、燃料の種類を誤るとトラブルの原因になります。まずはレギュラー・ハイオク・軽油の違いを正しく理解し、取扱説明書やメーカー公式サイトで、自分のバイクに合った燃料を確認しておきましょう。
給油の際は、静電気除去やノズルの色の確認など、安全手順を守ることが大切です。また、ガソリンスタンドでは給油だけでなく、タイヤの空気圧チェックなども行えます。安全な走行を保つために、こまめな点検を習慣づけると良いでしょう。
バイク館では初回点検や12ヶ月点検、電子診断機による精密チェックなど、プロの整備士によるサポートが受けられます。定期的に愛車の状態を確認し、不具合の早期発見につなげましょう。
