【ハーレー初心者必見】スポーツスター883と1200の違いや歴代モデルを全網羅

【ハーレー初心者必見】スポーツスター883と1200の違いや歴代モデルを全網羅

ハーレー

2025/07/03

HARLEY-DAVIDSON
401cc~
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ハーレーダビッドソンのラインアップの中でも、手頃な新車価格や比較的コンパクトで取り回しやすいことから人気を集めたスポーツスター。空冷エンジンを搭載したモデルは現在廃盤となっていますが、初心者からベテランライダーまで、今でも根強い支持を受けている名車です。スポーツスターには883cc、1100cc、1200ccの排気量別にさまざまなタイプのモデルが存在します。 これからハーレーデビューを考えている方々にとっては、どのスポーツスターを購入すればよいか悩むことも多いでしょう。そこで、2022年までに販売された空冷エンジンの歴代旧型スポーツスター全タイプを詳しくご紹介いたします!

ハーレー「スポーツスター」とは?

ハーレーダビッドソンと聞けば、空冷Vツインエンジンを搭載したクルーザーをイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、近年のハーレーは、アドベンチャーツアラーやミドルクラスのロードスポーツなど、多彩なラインアップを展開しています。

まずは、比較的コンパクトな車体を持つスポーツスターの位置付けについて見ていきましょう。

スポーツスターはハーレーのスポーツモデル

スポーツスターは、クルーザー(ヘリテイジクラシック、ファットボーイなど)やグランドアメリカンツーリング(ストリートグライド、ロードグライドなど)といったビッグツインモデルの小型版ではありません。

そのルーツは第2次世界大戦直後にさかのぼります。スポーツスターは、当時最高の性能を誇った英国車に対抗するスポーツモデルとして開発されたのです。

ビッグツインモデルと比較するとコンパクトかつ軽量で、旋回性や制動力、加速性能などもスポーツスターの方が優れています。そのため、アメリカ人には小さく感じられるスポーツスターも、日本人の体格や日本の道路事情には適しており、初心者にも扱いやすいハーレーとしても評価されています。

そうした事情もあって、スポーツスターの評価はアメリカよりも日本の方が高いのです。

ビッグツインとの違い

ビッグツインとは、現行モデルであれば最大で2,000cc近い排気量を持つ「Milwaukee-Eight(ミルウォーキーエイト)」、一世代前であれば「Twincam」といった空冷OHVエンジンのことを指します。

その名の通り、スポーツスターより排気量が大きく、車体も大きくなっています。重量感あふれる走りは、どこまでも続くアメリカ大陸のまっすぐな道路を優雅に走れるでしょう。スポーツスターは軽快感があり、スポーティーな走りを楽しめる点が異なります。

また、どちらも空冷OHVエンジンですが、その中身は大きく違います。ビッグツインはエンジン本体とミッションが別体式であるのに対し、スポーツスターは一体式です。カムもビッグツインは1カム(Twincamは2カム)で、スポーツスターは4カムとなっています。スポーツスターのエンジンはより軽く、高回転まで回るように設計されているのです。

ハーレー「スポーツスター」のモデルの違い

一口に「スポーツスター」と言っても、実はさまざまなバリエーションが存在します。例えば排気量は2種類あり、2004年にはフルモデルチェンジが行われるなど、その歴史のなかでさまざまな変化を遂げてきました。ここでは、そうしたスポーツスターの違いについて解説します。

883と1,200の違い

スポーツスターに設定されている排気量には、883ccと1,200ccの2種類があります。1,200ccは、ハーレーのなかでは小さい排気量ですが、一般的に考えると十分すぎるほどの大排気量です。

トルクも出力も大きく、それでいてビッグツインよりも軽快に回るため、ハーレーらしい重厚なトルクとスポーツスターらしいスポーティーな走りを求めるライダーにぴったりだと言えるでしょう。

883ccは1,200ccよりも価格が安いため、手が出しやすいのが魅力です。「軽快に回る4カムエンジンが最も効果を発揮するのは883ccエンジンだ」と考えるコアなファンも多くいます。1,200ccよりもゆっくりと加速するため、のんびり流したいのであれば、883ccが適しているかもしれません。

フルモデルチェンジ前後の違い

約60年もの間生産されてきたスポーツスターは、その歴史の中で何度かモデルチェンジを重ねてきました。中でも2004年に行われたフルモデルチェンジでは、エンジン自体はほぼ同じながら、フレームとエンジンの搭載方法が大きく変更されています。

2003年以前のスポーツスターは、フレームに直接エンジンをつなげていました。そのため、エンジンの鼓動感がフレームを通じてダイレクトに乗り手に伝わり、Vツインらしさをより濃厚に味わえたのです。また、エンジン搭載方法が単純なので、フレームをコンパクトにできました。その結果、車重は軽く、スリムな車体を実現していたのです。

2004年以降のスポーツスターは、フレームとエンジンのあいだに振動を和らげる特殊なゴムを介するようになりました。その結果、車重は増加したものの、鼓動感はマイルドになり、高速走行や長距離移動での疲労感が大きく軽減されたのです。

このエンジン搭載方法にちなみ、2004年以降のモデルは「ラバーマウントスポーツ」と呼ばれています。対して、モデルチェンジ前は「リジットスポーツ」と呼ばれるようになりました。

ハーレー「スポーツスター」の歴代モデル

約60年もの歴史を持つスポーツスターは、さまざまなモデルを輩出してきました。そのなかから、中古車市場でも比較的目にする機会の多い1980年代後半以降のモデルを紹介します。

同じようなモデルであっても細かい違いがあり、それぞれが個性的な一台です。ぜひ自分に合った1台を見つけてみてください。

XLH883/リジッドスポーツ

全てのスポーツスターの基本となるモデルです。フロント19インチ、リア16インチホイールにティアドロップ形状の通称スポーツスタータンク、ミッドコントロールステップや低めのバーハンドルなど、アメリカンスポーツバイクのスタンダートと呼ぶにふさわしい1台です。

ラバーマウントスポーツよりも30kg近く軽い227kgという軽量かつコンパクトな車体も大きな魅力といえるでしょう。

XLH883D

XLH883をベースに、ダブルシートを標準装備したのがXLH883Dです。シートはクッション性が高く、アップ気味のハンドルバーやスポークホイールなど、クルーザーテイストを高めています。

XLH883Hハガー/リジッドスポーツ

XLH883をベースに前後サスペンションをローダウン、アップハンドルやスポークホイールでチョッパーを思わせるスタイリングとなっています。

ローダウンしているため、コーナリング時にステップやマフラーを擦りやすく、スポーティーさはダウンしてしまいました。その代わり足つき性は格段によくなっていて、ビギナーや小柄なライダーを中心に支持を集めました。

XL883/ラバーマウント

ラバーマウントになってからのスタンダードモデルが、XLHから「H」を抜いたXL883です。エンジンこそほとんど変わっていませんが、車体が刷新されたことにより車重は227kgから260kgと30kg以上も増量しました。

ホイールベースが長くなったり、最低地上高が低くなったりするなど、その印象は大きく変わっています。また、2007年以降は吸気システムをキャブレターからF.I(フューエルインジェクション)に変更し、エンジン特性も大きく変わりました。

XL883L/ラバーマウント

XLH883Hのラバーマウント版ともいうべきモデル。車名のLは「LOW(低い)」に由来するもので、最低地上高はスタンダートの140mmに対して111mmとなっています。

このモデルは、2005年から2010年までラインアップされていました。

XL883Lスーパーロー/ラバーマウント

2011年に登場したのがXL883Lスーパーローです。一見、車名は上のモデルと同じですが、こちらはサブネームに「スーパーロー」が追加されています。燃料タンク容量が12.5Lから17Lへと増量され、航続距離が大きく伸びました。

また、ホイールサイズはフロント18インチ、リア17インチとなり、ハンドルバーはプルバックタイプとなっています。ツーリング性能が大幅に上がり、ビッグツインを思わせるシルエットも魅力です。

XL883C 883カスタム/リジッド&ラバーマウント

フロントに21インチのスポークホイール、リアに16インチディッシュ(皿型)ホイールを採用したカスタム感の高いモデルです。車名についた「C」はもちろん、「カスタム(Custom)」を意味しています。

ホイール以外にも砲弾型ヘッドライトやライザー一体型ハンドルバー、クロームメッキを施したパーツの多用など、特別感を演出した仕様となっています。

XL883R/リジッド&ラバーマウント

元々はスポーツバイクだったスポーツスター本来の姿といってもよいのが、XL883Rです。「R」は「Racer(レーサー)」を意味しています。ハーレーでレースといえば、ダートトラックが有名です。

XL883Rには同社のダートトラックレーサー・XR750をイメージしたグラフィックパターンが与えられていて、ライダーの気分を盛り上げます。十分な旋回性を確保した車高や883では珍しいフロントダブルディスク、精悍なブラックエンジンなど、特別感を高める装備の数々も魅力です。

XL883N アイアン/ラバーマウント

XL883に変わり、883シリーズのスタンダートモデルとして位置付けられたのが、2009年登場のXL883N アイアンです。スタンダードとはいえ車高は落とされていて、最低地上高は99mmとなっています。

エンジンやトリプルツリーなど、各所をブラックアウトして、カスタム感が高まっているのも特徴です。2009年のモデルチェンジでは切削ホイールやラウンドエアクリーナーを採用するなど、さらに特別感をアップしました。

XL50

XL50は、2005年に登場した特別仕様車です。車名の「50」はスポーツスターの50周年を意味していて、世界限定2000台で発売されました。

スタイリングはスタンダードなものですが、各部にクロームメッキを施し、前後スポークホイールを履くことで、高級感とクラシック感を演出しています。もちろん、外装のカラーリングも特別仕様です。

XLH1100

最終型のスポーツスターは「Evolution」というエンジンを搭載していましたが、その原点が1986年登場のXLH1100です。鉄シリンダーを持つ「Shovel Head(ショベルヘッド)」エンジンからオールアルミ製の「Evolution(エヴォリューション)」に変更し、性能と耐久性が大きくアップしました。

フレームも、この頃に採用されたものに小変更を加えながら、基本的には2003年まで続くこととなります。

XLH1200

1988年に1,200ccにボアアップしたXLH1200にモデルチェンジします。その後、XLH1200はスポーツスター1200のスタンダードとして、トランスミッションの5速化やベルトドライブ化など、XLH883とともに進化を続けるのです。

XL1200S

XL883Rがレーシングイメージを前面に出していたのに対して、XL1200Sはあくまでも公道における「Sports(スポーツ)」イメージを演出したモデルといえるでしょう。

1996年の登場時はシングルプラグ、1998年に1つのシリンダーに2本のスパークプラグを装備するツインプラグ仕様となりました。

XL1200C(リジッド / ラバマン type1 / ラバマン type2)

1200のカスタムバージョンも883と同じくフロントに21インチスポークホイールや砲弾型ヘッドライト、アップタイプのハンドルバーなどを装備し、チョッパーらしさ溢れるスタイリングとなっています。

登場したのは1996年で、1999年にはフォワードコントロールステップを採用し、よりチョッパーらしい仕様に変更しました。

XL1200R

XL883Rがダートトラックをオマージュしたレーシングイメージを持つのに対し、XL1200Rはネイキッドのようなスポーツ性能を追求したモデルといえるでしょう。XL1200Rの「R」は「Roadster(ロードスター)」を意味しています。

2008年のモデルチェンジでは容量12.5Lのスポーツスタータンクから大容量の17Lビッグタンクに変更となり、よりロードスターらしいスタイリングとなっています。

XL1200L

それまでXL883Lにのみラインアップされていた、ローダウンモデルの1200版です。17Lタンクやローシートを採用することで、ツーリング色を高めています。

XL1200N ナイトスター

スタンダードなスタイリングながら、シリンダーやクランクケースをブラックアウトすることで、カスタム感を強く打ち出しています。フォークブーツやスポークホイールなど、クラシカルなイメージを演出している点にも注目です。

XL1200X フォーティーエイト

爆発的な人気となったのが、「フォーティーエイト」のサブネームを持つXL1200Xです。前後サスペンションをローダウンし、16インチホイールを装着することで足つき性は良好。低めのハンドルとフォワードコントロールで、独特のライディングポジションとなっていました。

また、大きくなっていたスポーツスタータンクをこのモデルから小型化。従来のスポーツスターらしいシルエットになったと、多くのファンに歓迎されました。ちなみに2022年に発売されたスポーツスターシリーズのファイナルエディションは、XL1200Xです。

XR1200 / XR1200X

ハーレー傘下にあり、2009年に全てのモデルの生産を終了したのが「ビューエル」というブランドです。スポーツスターエンジンをチューニングし、独自性の高い軽量かつコンパクトなフレームに搭載することで、唯一無二の乗り味として人気でした。

2009年に登場したXR1200 / XR1200Xは、ビューエル仕込みのチューニングエンジンや足周りに、ハーレーらしいデザインを融合させた意欲作です。通常のスポーツスターとは全く異なるスポーティーな乗り味は、一部の熱狂的なファンを虜にしました。

XL1200V セブンティーツー

「72(セブンティーツー)」というサブネームを持っており、1970年代に流行したチョッパースタイルをオマージュしたモデルです。

フロント21インチホイールやホワイトリボンタイヤ、アップハンドルに外装のフレーク塗装など、当時の雰囲気を見事に再現しています。

XL1200CA

XL1200Cをベースに、オリジナルのキャストホイールや低めのハンドルバーなどを採用しています。ストリートドラッガーをイメージした個性的な1台となっています。

XL1200CB

XL1200CAと同様に、XL1200CBもXL1200Cをベースにした1台です。こちらはアップハンドルやスポークホイールを装備することで、チョッパーテイストを演出しています。

XL1200T スーパーロー

XL1200Lをベースにウインドシールドやサイドバッグ、ミニフットボードを装備することで、ツーリングでの使い勝手を大きく向上しています。足つきもよく、ラバーマウントのエンジンは疲れにくいため、極上のツアラーとして好評でした。

XL1200CX ロードスター

一見するとセパレートハンドルを装着しているように見えますが、バーハンドルが採用されたモデルです。通常のコンチハンドルよりもグリップ位置を低くしているのです。

また、リアホイールを18インチ化しています。これによって、カフェレーサーを思わせるシルエットとレーシーなライディングポジションを実現しています。

XL1200NS アイアン1200

XL1200Nにビキニカウルとアップハンドルを装着し、カスタム感を高めたモデルです。キャストホイールを採用することで、スポーティーな雰囲気はXL1200Nを上回っています。

XL1200XS フォーティーエイトスペシャル

フォーティーエイトのカスタムバージョンであるXL1200XSは、アップハンドルを装着することで、ボバーとチョッパーの中間をいくスタイリングとなっています。1970年代のハーレーを彷彿とさせるレインボーストライプも見逃せません。

まとめ:スポーツスターは日本人と日本の道に最適なハーレー

空冷OHV Vツインエンジンを搭載するスポーツスターは、2022年に生産を終了しました。しかし、ハーレーの中でも人気の高い車種であったため、今でも中古車市場には数多くのスポーツスターが流通しています。

883ccや1200cc、またリジットマウントやラバーマウントなど、スポーツスターのバリエーションは多岐にわたります。豊富な選択肢の中から、ぜひあなたに合った一台を見つけてください。

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