【TRACER900/トレーサー900の特徴】
トレーサー900は2015年に登場した、MT-09をベースとしたツーリングアドベンチャーモデルです。
発売当初は「MT-09トレーサー」、2018年以降は「トレーサー900」、2021年以降は「トレーサー9」と車名が推移しています。
2018年モデルからは、グリップヒーターやクルーズコントロール、伸圧減衰フルアジャスタブル機構付きのフロントフォークなどを装備した上級グレードのトレーサー900GTを発売しました。
2021年からはミリ波レーダーを搭載し、測定値を用いて前走車を追従するアダプティブクルーズコントロールを採用した最上級グレードのトレーサー9GT+も発売しました。
■基本プラットフォームを利用したバリエーションモデル
ヤマハが取り組み始めていた方針の第一弾として登場したのがトレーサー900(当時MT-09トレーサー)でした。意のままに操るMT-09の基本はそのままに、ツーリングに適した装備(燃料タンクの容量アップやアドベンチャー向けのエンジン特性、専用セッティングのサスペンション、高さ調節機構付きの大型スクリーン等)したアドベンチャーモデルの開発を行いました。
その後、ベースのMT-09の進化に応じて、トレーサーも進化していき、上級グレードと最上級グレードを発売するに至りました。
■アドベンチャーモデルとしての装備
アドベンチャーモデルとして、ツーリングに最適な装備を多く採用しました。
元々は、FJR1300のようなハイクラスアドベンチャーの開発でしたが、MT-09の強い個性が消えなかった為、そのまま活用してパンチ力のあるアドベンチャーへとシフトチェンジしました。
専用ハンドルの採用や専用デジタルメーター、2段階トラクションコントロールなど、たらーモデルには必須な装備を標準としました。
■トレーサー900の歴史
2015年にMT-09トレーサーとして登場した後、2017年にアシストスリッパ―クラッチの採用やトラクションコントロールのシステムアップデートを行うマイナーチェンジを行いました。
翌2018年にもマイナーチェンジを行うと共に、車名を「トレーサー900」に統一しました。
ハンドルバーの新設計やシート形状の変更、新形状のスクリーンなどを採用しました。
また、2か月後に上級モデルのトレーサー900GTが発売されました。
その後は毎年のカラーチェンジを行いました。
2021年にはフルモデルチェンジを行い、車名を「トレーサー9」としました。
平成32年排ガス規制に対応し、排気量を888ccまで拡大させました。
他にもアルミ製の新型フレームの採用や、最上級グレードのトレーサー9GT+の設定なども行いました。
日本では、トレーサー9GTのみの導入となっています。
【TRACER900/トレーサー900の装備】
ツーリングに最適な装備を揃えました。日本では上級グレードのGTモデルのみの販売です。
シートは2段階で調節可能なセパレートシートを採用。コーナリングランプも搭載しています。オプションでパニアケースも装着可能で、ロングツーリング等に向けた装備も設定されています。
【TRACER900/トレーサー900のパワーユニット】
MT-09をベースとした水冷4ストローク3気筒エンジンは、基本構成は同じながら、アドベンチャー向けにセッティングされています。
MT-09ならではのピーキーなパンチ力と電子制御による滑らかな走行性能で、快適なバイクライフをサポートします。
【TRACER900/トレーサー900のシャシー】
新設計のアルミダイキャスト製のフレームを採用し、軽量化に成功。また、KYB製電子制御サスペンションを採用し、高い反応速度で快適な乗り心地を生み出します。
クイックシフターの装備やラジアルマスターシリンダーの採用などで、足回りは現行最高の装備となっています。