【GSX-S1000Fの特徴】
GSX-S1000Fは、2015年のGHSX-S1000と同時に発売された、GSX-R1000のエンジンを使用したフルカウルスポーツモデルです。
GSX-R1000がサーキットのフルカウルとするならば、GSX-S1000Fはストリートのフルカウル。高めのハンドル位置やGSX-S1000と同じくストリート向けのセッティングなどは、一般公道向けとなっています。
■あくまでフルカウルスポーツの立ち位置
スポーツツアラーとして見られがちなGSX1000Fですが、実際は積載性が皆無です。オプションでパニアケース等の設定も無く、タンデムシートに仕掛けフックがあるわけではありません。
よくあるリッターバイクのラインナップが、SS・ネイキッド・ツアラーという3種であることから勘違いされがちですが、市販車最速になったこともあるGSX-R1000のエンジンを積んでいて、この積載性の無さは確実にツアラーではありません。
GSX-S1000と同様にパニアなどをつけると、それ用にシートフレームを強化する必要があります。結果的にリアが重くなりスポーツ性に欠けてしまいます。
あくまで開発の時点からフルカウルスポーツとして設計されていることがわかります。
■公道においてSSより速く楽しく
「BEYOND THE SPORTBIKE」というキーワードからもわかるように開発時点から、スポーツマシンとして誕生しています。それは、GSX-R1000やGSX-S1000と全く違うコンセプト。公道においてSSより速く、そして楽しめることが最重要視されていました。
■GSX-S1000Fの歴史
2015年に発売したGSX-S1000Fは、GSX-S1000同様にほぼ毎年のカラーチェンジを行い、2017年に排ガス規制対応の為のマイナーチェンジを行っています。
2021年にフルモデルチェンジしたGSX-S1000とは対照的に、GSX-S1000Fは据え置きでした。これは、排ガス規制の対応を行わず生産終了となることを意味していました。
ただ、2022年からは、実質後継機種となるGSX-S1000GT(グランドツアラー)が発売され、念願のツアラーデビューを果たしました。
【GSX-S1000Fの装備】
GSX-S1000Fは、ミラー、カウル以外の装備はS1000と同等となっています。
バーハンドルを採用し、ライディングポジションが少し楽になったことで、市街地などでのストレスも低減しています。
【GSX-S1000Fのパワーユニット】
エンジンはGSX-R1000由来のエンジンで、ストリート向けのセッティングを行っています。捻ったら捻った分だけパワーが出るのはS1000と同様で、ストリートではこれ以上ない出力特性となっています。
【GSX-S1000Fのシャシー】
足回りもKYB製倒立フォークやブレンボ製ブレーキキャリパーの採用など、ストリートに最適化された足回りが標準装備となっています。
ハンドリング性能も最適化されており、高い路面追従性を誇る感覚との再現性が高いマシンとなっています。